環境先進国ドイツに学ぶ、頑張らないエコな生き方

ドイツ 蚤の市 コラム
コラム

ドイツは「環境先進国」として知られていますが、現地での暮らしは決して気負ったものではありません。日々の買い物や休日の過ごし方のなかに、地球にもやさしい選択肢が用意されている—それがドイツの暮らしの魅力です。

この記事では、7年間のドイツ生活を通して見えてきた、環境にやさしい生活の仕組みや、日々のなかで実践できるアイデアをご紹介します。毎日の生活に少しだけ取り入れたくなる、サステナブルな生き方のヒントになれば嬉しいです☺️

ペットボトルや空き瓶のデポジット制度(Pfand)

回収機にペットボトルを入れている所。
回収機にペットボトルを入れている所。入れ終わったらレシートを発券し、レジで精算してもらいます。

ドイツでは、ペットボトルや缶、瓶に入った飲み物を買うと、商品代とは別に「Pfand」という保証金が上乗せされます。金額は、ペットボトルや缶は1本25セント、瓶は種類によって8〜15セント。そして飲み終えた容器をスーパーの回収機に持っていくと、その分が返金される仕組みです。

このドイツで生まれたデポジット制度のおかげで、空き容器はゴミではなく、きちんと分別して回収されるべきものという意識が社会全体に根付いています。

スーパーでは、山のようにペットボトルや瓶を抱えて回収機に並んでいる人の姿も。

少額とはいえ保証金が上乗せされているせいか、買ったら最後まできちんとリサイクルに出そう、という気になります。

こうした制度によって、ドイツの使い捨て容器の回収率はなんと96%〜99%にまで達しているそう!

ちなみに、街中や公園では空き容器をゴミ箱の横にそっと置いておく、という光景もよく見かけます。回収機まで持っていくほどでもない数本を、必要な人が持っていけるようにという、暗黙の助け合いの形です。

参考: DPG-Deutsche Pfandsystem GmbH | Deposit Systems across Europe: Cornerstone of the Circular Economy

ドイツのゴミ分別ルール

ゴミ収集場所
アパートの共同ゴミ捨て場にあるゴミ箱たち。色によって入れられる物が違います。

ドイツでのゴミ収集は、日本のようにゴミ袋を捨て場に持って行くのではなく、回収場所にある大きなコンテナの中に入れます。捨てたい時にいつでも捨てに来れるのが嬉しい所。

回収場所にあるコンテナのごみ分別の仕方

生ゴミ・コンポスト (Biotonne)野菜くず、果物の皮、コーヒーかす、卵の殻など。
プラスチック・容器包装 (gelbe Tonne)プラスチック容器、発泡スチロール、金属の蓋、飲料パックなど。
可燃・その他ゴミ (Restmüll)リサイクルできない汚れた紙、掃除機のゴミ、使用済みティッシュなど、他に分類できないもの
古紙 (Altpapier)新聞、雑誌、段ボール、封筒など
ガラス (Glascontainer)デポジット対象外の瓶は、色別 (透明・緑・茶)に分けて回収ボックスへ

参考: BSR(Berliner Stadtreinigungsbetriebe) „Weißt du die Tonne?“: Abfalltrennung in Berlin

参考:Mülltrennung-wirkt.de| Mythen über Verpackungsrecycling

この他、使用済み電池や電球は、スーパーやドラッグストアのレジ横に置かれている回収箱に入れます。粗大ゴミや家電、大型のリサイクル資源は、街のリサイクルセンター(Wertstoffhof)に直接持ち込むこともできます。

また着なくなった服や靴は、街中にたくさんある古着回収コンテナ (Altkleidercontainer) に入れます。多くはチャリティ団体や慈善団体が運営していて、集められた古着は補修されたのち、寄付やリサイクルとして活用される仕組みです。

参考:ドイツ赤十字社(DRK)|DRK-Kleidercontainer

きちんと分別する事で、資源をリサイクルして有効活用でき、また貴重な資源を可燃ゴミにしてしまって不必要に温室効果ガスを排出するのを防ぐことができます。

生ゴミはコンポストとして循環

コンポスト
コンポストのゴミ箱。バナナやスイカの皮など、台所から出る生ゴミはここに捨てます。

ドイツでは、生ゴミ用の捨て場が一般家庭に標準で用意されています。野菜くずや食べ残しは可燃ゴミではなくこちらに入れます。

私の住むベルリンでは、年間約7万トンの集められた生ごみは、ごみ収集車を走らせる燃料になるバイオガスや、次の作物を育てるための堆肥・肥料に変わり、完全に社会に還元されています。(個人的に特に素敵だなと思っている仕組みです☺️)

減らそうと努力してもどうしても出てしまう、果物の皮やコーヒーかすなどの生ゴミ。一時我が家でもコンポストをやっていた時期があったのですが、分解が追いつかず諦めてしまいました。それでもコンテナに入れればゴミとならず、有効活用してくれるこのシステムはすごくありがたいです。

ちなみにこのコンテナの中身は、週一で収集トラックが来て回収してもらいます。それまで、中はちょっと匂いがしたり、ハエが来たりはしますが、湿度が低いせいか、夏でも恐ろしいことにはなっていません。笑

参考:BSR (Berliner Stadtreinigungsbetriebe)| Biogasanlage der BSR

ヴィーガンやオーガニック(Bio)の商品を選ぶ

スーパーのヴィーガンコーナー
スーパーにあるヴィーガンコーナー。チーズやサラミ、ソーセージなどたくさんの種類があります。

ドイツ、特にベルリンでは、スーパーやレストラン、カフェでもヴィーガンの商品がほぼ必ず用意されています。

スーパーでは代替肉やチーズなど、レストランではお肉の代わりにお豆腐や豆を使ったお料理、またカフェではオーツミルクや豆乳なども一般的。

私の元職場のプラントベースパティスリーでは、ショートケーキやチーズケーキ、クロワッサンやクッキーなど、たくさんの種類の商品をご用意していました。(どれも美味しくて、おやつ休憩が楽しみでした😋)

ちなみに菜食ごはんでは、プラントベースのお菓子レシピもご紹介しています🍪⇩

またドイツには普通のスーパーにもオーガニック(Bio)のコーナーがあったり、オーガニック専門のお店も身近にあります。価格は一般の商品より少し高い程度。品揃えは、野菜やワインなどの食品だけでなく、洗剤や化粧品まで幅広く展開しています。

環境に優しい選択をしたい、持続可能な農業を応援したい、という想いからオーガニックを選ぶ人が多いようです。

ドイツは環境保全のためにオーガニックを推進していて、2023年から2027年までに年間約63億ユーロも助成のために提供されています。

また、2030年までにドイツ国内の全農地の30%をオーガニックに拡大すること目標にしています。

そのおかげもあってか、オーガニックの商品が日常の選択肢として手が届きやすい事が嬉しい。

参考:Im Überblick: Die Gemeinsame Agrarpolitik (GAP) der Europäischen Union

参考:BMLEH| Lebensmittelwirtschaft bis 2030

簡易包装、レジ袋を使わないお買い物

マーケットで売られる野菜
マーケットで売られている野菜。買いたい分だけ購入できます。

ドイツのスーパーやマーケットでは、野菜や果物がそのまま裸で並んでいることが多く、必要な分だけ買うことができます。量り売りなので、買いたい分だけ重さを測って精算してもらいます。

包装も基本的に簡易で、お菓子などは大袋の中にそのままお菓子が入っています。日本のように、さらに個包装された商品は見たことがないです。

ケーキ屋で働いていた時は、お客さんがタンブラーだけでなくお菓子をタッパー持参で買いに来てくれる事もよくありました☺️

またドイツでは、2022年からプラスチック製の薄手レジ袋が法律で禁止されました。そのため、お買い物の時はマイバッグを持参、もしくは紙袋や繰り返し使えるお買い物バッグを購入することもできます。

簡易包装のおかげで、プラスチックを大量に持ち帰ることなく楽しくお買い物ができる。ドイツ生活の中でも気に入っているポイントです。

みんなが気兼ねなく休める日曜日(Sonntagsruhe)

晴れた日の週末 湖の周りでくつろぐ人々
晴れた秋の日の週末。湖には家族でまったり過ごす人たちの姿が。

ドイツでは日曜日は安息日(Sonntagsruhe)とされています。そのため、日曜は一般の会社だけでなく、デパートやスーパーなどの商業施設もすべてお休みです。(カフェやレストランなどの飲食店は除く)

これは労働者を守るための仕組みで、元々はユダヤ教の安息日をモデルに、321年にローマ皇帝コンスタンティヌスが法律上の休日として定めたのが始まりとされます。その後、産業革命期には労働者が日曜も工場で働かされる時期がありましたが、1919年のワイマール憲法により、日曜日の休日があらためて権利として守られました。

その名残で、現在でもドイツでは日曜は労働をせず、休暇を楽しむ時間となっています。

この日は自然のなかでお散歩したり、カフェで友人とゆっくりおしゃべりしたり、夏は湖で泳いだり、冬はクリスマスマーケットでホットワインを飲んだり。近所の家から聞こえてくるチェロの音色に耳を傾けながら読書を楽しんだり。

消費社会の中で、お店の営業に使われるエネルギーを節約しながら、人々はゆっくりとリフレッシュできる日曜日。

最初は食材の買い忘れなどでちょっと戸惑った仕組みですが、今では大切な人とゆっくり時間を過ごせる日曜日が待ち遠しいと感じるようになりました。

参考:HDG Haus der Geschichte| Am siebten Tag. Geschichte des Sonntags

不用品を譲り、物を大切に長く使う

ドイツのお菓子の本
譲り受けたレシピ本。お店では見つけれないものに出会えるのが嬉しい。

ドイツに住み始めて最初にびっくりした文化は、道端に人に譲る物が置いてある事。

着れなくなった服や読み終えた本、使わなくなった家具などをアパートの入口などに置いておき、必要な人が自由に持っていって良いという仕組みです。

実際、私も道端に置かれていた本や子供のおもちゃを譲り受けました。特に本屋さんではもう売られていない昔の本などに出会えて楽しいです。

物を手放す際も、まだ使える物がゴミとならずに次の誰かの手に渡っていくと思うと少し気が楽になります。

またドイツは職人の国だからか、手作業が得意な人が多いです。そのためタンスや水道など家のちょっとした問題ならすぐに買い替えるのではなく、自分たちでさっと修理できる人が多いのも印象的。そもそも直すのに使う工具をみんな持っていることにも驚きでした😮

頑張りすぎない食事

ドイツパンとパプリカスプレッド
パプリカのスプレッド。ドイツには野菜を使ったスプレッドがたくさんあります。

合理的なドイツ人の食事には、Kaltes Essen (冷たい食事)という言葉があります。パンとチーズやスプレッド、ハムや野菜、果物を並べるだけの火を使わない、シンプルな献立です。(ドイツのパンはライ麦や全粒粉、ナッツを使った栄養価が高い物が多く、とてもおいしい!)

クリスマスや友人とホームパーティをする時などには時間をかけて作りますが、普段はあまり時間をかけない人も多いよう。

食事にかかる電力も自分のエネルギーも節約するドイツ人。彼らを見てると、たまには肩の力を抜いてもいいよね、と思わせてくれます☺️

私自身が、日々心がけていること

ドイツのパンは美味しくて栄養価も高いので好きになり、自分でも作るように。

ドイツで暮らし、環境に優しい生き方を選ぶ人たちと生活する中で、私自身も少しずつ意識が変わってきました。小さな事でも、エコっぽい事をしてみようと思うように。

例えば、

  • 野菜の皮など、食べれない部分はベジブロスにして活用する
  • 包装されたパンは買わず、なるべく手作りする
  • 環境負荷の少ないプラントベースを選ぶ
  • 必要のない包装はできるだけ避ける
  • 使い捨てより、手間でもお手入れして長く使える物を選ぶ
  • 流行の服を追わず、自分の好きなデザインの服を長く楽しむ
  • 水回りのお掃除には、洗剤の代わりにお酢を使う

など。

些細な事ではありますが、少しでも環境に優しいことができたらなと実践しています。

大量消費の時代の中で、人と繋がったり、自然の中で過ごしたり、少しでも環境に良い選択をしてみたり。そんなシンプルなことが実はいちばん豊かなことなのかもしれないと、ドイツに来てから思うようになりました。ドイツの暮らしのアイデアから、環境に優しい生活のヒントが見つかれば嬉しいです。

また当サイト 菜食ごはんでは、プラントベースで作る簡単レシピをご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください☺️

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